山 百 合 訪 問

 

 真心を伝える山百合訪問 
 本校は、昭和29年(1954年)より現在の至るまで毎年6月中旬、全校児童と職員が学校周辺の山野に自生するササユリ(山百合)を採取し、地域の福祉施設、病院、一人暮らしのお年寄りの家庭などを訪れ、日ごろの感謝と真心を贈る活動を続けています。
 訪問を通して子どもたちには、人を思いやる心が育ってきています。また、福祉施設や病院、地域のお年寄りからの感謝の気持ちが届くことで地域に役立っている喜びを感じ取っているようです。
 この継続的な活動は、祖父母,親の世代から子どもの世代に、先輩から後輩に確実に引き継がれ、長年積み重ねてきたボランティアの精神が学校に、地域に息づいてきています。
 世羅台地にはかつてササユリが多く自生していましたが、近年は山の下刈りをしないことや環境の変化によりササユリが減少し、採取するのが困難になってきました。子どもがササユリを採取するだけでは花束が作れなくなってきました。今ではこの訪問時期に合わせ保護者や地域の方々が津久志地区だけでなく遠くで採取したササユリや栽培した花を学校に持って集まって下さいます。
 また、本町にある県立世羅高等学校の協力を得て、生産情報科の先生と生徒の指導でササユリをバイオテクノロジーの技術で増やすことをしています。栄養素を溶かしカンテンで固めた培地を入れた無菌のフラスコでササユリの球根の鱗片を培養し,1年かけて直径2センチぐらいの球根に育てます。5・6年生が実際に培地に植え付けます。この活動は,平成6年から始められましたが,最初はうまく培養することができなくて失敗の連続だったそうです。3年前頃から培養ができるようになり,その苗を学校林「ふるさと広場」に植えてきました。今年も育てたササユリの球根を学校林に植えました。3年前に植えた苗が昨年初めて数十本の花を付けました。数年後にはりっぱなササユリの花畑になるかもしれません。もう少しすると学校林で栽培した花を持って訪問ができると力を入れて世話をしています。子どもたちは,計画的に苗を栽培して,この地域が再びササユリがたくさん咲く故郷にしたいと考えて活動しています。   
 このように,小学校だけの取り組みだったものが,地域に広がり,地域ぐるみで取り組む活動へ,そして地域の高校との連携へと発展しています。


この山百合訪問の目的は次の3つにまとめることができます。

○山百合を採取し津久志地区はもとより近隣の施設などを訪問して花や自作のプレゼント(児童の作品)などを届けることによ
 り、普段お世話になっている方々への感謝の気持ちを育てるとともに,病気で入院されている人や一人暮らしの方々に対する思いやりの心を育てる。

○先輩が築いてきたボランティアの精神を受け継ぎ,地域のために役だっている喜びを味わわせる。

○地域の自然に親しみ,そこに住む方々との交流を通して,地域のよさを発見し,地域を大切にしようとする心情を育てる。
 


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